「辞書って、面白いんだ。」
あなたはこんな感想を持ったことがありますか?
2011年に本屋大賞を受賞した三浦しをんの小説『舟を編む』は、言葉への深い敬愛と情熱を注ぐ人々の姿を描いた感動的な作品です。
辞書は単なる言葉の羅列ではなく、言葉の海を航海し、言葉の宝石を探し出すようなワクワク感にあふれています。
主人公の馬締光也は、ひょんなことから辞書編集部の仕事に携わることになります。最初は辞書作りに興味を持っていなかった馬締ですが、言葉の意味を調べ、例文を作成する過程で、言葉の奥深さに触れ、次第にその仕事に魅了されていきます。
辞書編集部には、個性豊かな人々が集まっています。
編集長の荒木公平は、辞書作りに情熱を注ぐベテラン編集者。馬締の良き理解者であり、師のような存在です。
松田青子 は、馬締と同期で、辞書作りに真摯に取り組む女性編集者。馬締とは良きライバルであり、互いに支え合い、成長していきます。
馬締は、彼らとの関わりを通して、人間関係の複雑さや、コミュニケーションの大切さを学んでいきます。
辞書作りという共通の目標に向かって、互いに支え合い、成長していく姿は、読者に勇気と感動を与えてくれます。
『舟を編む』は、単に辞書作りという仕事を描いた小説ではありません。
言葉と人間の深いつながり、日常生活の中での小さな発見と喜び、そして人生の美しさを伝える作品です。
読み終わった後には、心が温かい気持ちで満たされます。
言葉の大切さを改めて認識させてくれる、そんな素晴らしい作品です。