2015年4月12日日曜日

【将棋】 電王戦について声を大にして言いたいこと




今日は電王戦FINALを終えて
永瀬戦の時からの
思うところがあったのを、少し上手く伝えれる気がしたので
書いてみる

今回の団体戦は3勝2敗で人間側の勝利!
実に素晴らしいことだ
プロの将棋は常に1対1の勝負である
お正月とかには余興で2対2での将棋をしたりもするが

高校~社会人の将棋の大会などは団体戦などがある
これは、1対1の勝負ではあるが、団体としてのチームワーク、
勝利の嬉しさ、敗北の悔しさなどを経験、教育という面もあるのだろう

特に、学生部活なんかは、一人で強くなるわけでなく
部活の仲間と一緒に研鑽して強くなるわけで
棋力(気力)を作るのは一人の力ではない

さて早速、話が逸れてしまったけれど(笑)
声を大にしていいたい、というのは
率直に言うと、永瀬戦・阿久津戦に対して
批判的、ネガティブな感想・意見に対するもの

上手く伝えれるように
ポイントは3点…5点には絞って話すようにする(笑)

■勝負の本質を自分で考え、判断して意見してほしい

新聞やネットの記事に踊らされてはならない。

http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=335195&nwIW=1&nwVt=knd
コンピューターソフトとプロ棋士が対決する「将棋電王戦FINAL」の第2局が3月21日、高知市の高知城追手門建物内で行われ、永瀬拓矢六段が「Selene」に勝った。永瀬六段はソフトプログラムの欠陥を突く手に出て、相手の「反則」で勝利。意外な展開による結末に会場が湧いた。 ソフトの欠陥による反則負けという結果に、大盤解説会場も一時騒然となった。将棋ファンの反応もさまざまで、高知市神田の教員の男性(45)は「何となくすっきりしない」。一方、高知市東雲町の地方公務員の男性(29)は「面白かった。勝ちを読み切ってバグも指摘して、人間の完勝じゃないでしょうか」と話していた。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/04/10/computer_shogi_n_7045064.html対局は阿久津八段が序盤、ソフト相手に有力と見られている、通称「嵌め手(ハメ手)」と呼ばれる奇襲手を指したところ、AWAKE開発者の巨瀬亮一さんが投了を宣言した。対局開始から1時間も経たずに終局。持ち時間は5時間が用意されていたが、消費時間は阿久津八段が13分、AWAKEが30分だった。
ハメ手」とは、正攻法ではなくトリック戦法のこと。相手が対応できない場合には有利となるが、正しく対応されると一転して不利になる。コンピューターが相手の電王戦では、コンピュータ独特の弱点をついたハメ手が研究されており、今回の第5局でも「△2八角戦法」と呼ばれるハメ手が研究されていた。
上は永瀬戦の記事の一つで、下は阿久津戦の一つを引用してみた
「ソフトの欠陥」「プログラムの欠陥」「トリック戦法」だとか、
あたかも実力で勝ったのではない、という記事が多い
ニュース記事というのは将棋に興味ない人にも解りやすく伝えなくてはならない
という事もあるが、電王戦に対して真摯に(考えて)記事を書いている記者は少ないのではないか

考えると、本質的には、斎藤VSApery戦も似たようなものだと私は思う

http://i2chmeijin.blog.fc2.com/blog-entry-2098.html
こんな記事もあったのか
AWAKE・巨瀬氏、阿久津八段を批判


■電王戦 人間VSプログラムの戦い

人間VSPCと書くべきか、人間VSソフトと書くべきかは迷った

まずこの電王戦は、人間VSプログラムの対局でであり、勝負であるということ
決して、「良い定跡や棋譜を作りましょうねー」っていうものではない
それは棋士達が個人なりでPCを使ったりで研究してるだろう

将棋の歴史を遡れば遡るほど一局の重さが強くなっていくと思うが
世襲制の時や御前試合などの時代はまさに命を懸けた勝負である

近現代でも、真剣師に小池重明などいた時も
プロ棋士はアマチュアに負けてはならぬ、面目丸潰れである、
という時代であった。

盤外戦術などがあった時もあるし、盤内戦術は今でもある
自玉がピンチだが相手に時間ない時に悩ましい手を指したりとか
とにかく将棋のプロの対局とは「勝負」である

A級や1組に在籍する棋士は解らんが、引退ギリギリの(ベテラン)棋士や
3段リーグの若手奨励会員、C級になったばかりの4段棋士
などは、まさに将棋で生計を立てれるようになるのか、という1つの人生をかけた勝負である

定跡研究などは、研究会でやれば良いし、
良い棋譜を残しましょうねーなんていう甘い考えの対局はプロの世界にはない。
勝負の結果、結果的に良い棋譜だったか、というのはあるだろう

電王戦は、人間VS人間ではない
人間VSプログラムの戦いとは何か?

先に、逆説的に言っても、
阿久津8段はその後の永瀬6段に勝っていること、
また、28角を打つのはAWAKEの実力(棋力)であるということ

永瀬戦なんかは、角不成を認識しないというのはバグではなく
プログラムとしての実力である、ということ
(有名な谷川先生の角不成りで打ち歩詰めを防いだ詰みなどは
このプログラムは読めるのだろうか?)

斎藤戦では、序盤の所で、解説陣でも読める割と普通の手をせずに
角打ちから攻めたのは悪手であったこと
そこでそういう手を指したのはプログラムの実力(棋力)であったということ

しかし、そのあとの猛攻は斎藤5段の心境は解らないけれど
PCの猛攻というのは、けっこうハラハラする
昨日の阿久津戦では、その後続けると角は取られるけれど
私がやると、香車、桂馬、金、のどれかと交換になるんだけど、
ただで角取れるのかな?、しかし、その間に、相手も囲い、攻め型を作ってくる
ひょっとしたら、続けていたら、いい勝負になったかもしれない
さすがにプロだからポロっと角取られたら勝負にならないかな?

阿久津VS PONANZAだと、そうした場合どうなっていたのかとかいろいろある

やねうら王とかだっけか、序盤は定跡を外して指させるとかあるけど
それこそ将棋の棋理
(最初は角道あけたり、飛車先をつくのが大体において良い)に反しているわけで
良い棋譜を残しましょう、というのとは違って、
定跡をはずした時の力の勝負を望んでるわけである

という風に逆説的に、(良い将棋をしましょうねーっていう)将棋としてっていうならば
そこで28角を打つ方が悪いのだ(棋力がない)




プログラムは、正しくプログラムしてあれば、詰みのある局面を間違えない
読みの速度が半端ない
PCには体力も睡眠も必要がない
ソフトを事前に貸し出している
持ち時間は同じ

有利・不利になる条件は色々あれど、
基本的には、プロ棋士の戦略・構想・大局観としてソフトのそれより良いか否かの問題だと思う

計算はPCに敵わないわけだし、将棋が二人零和有限確定完全情報ゲームである以上、
正しく指していけばPCが必ず勝つであろう
プロ棋士が先手が絶対に勝てる序盤定跡、
後手が絶対勝つか千日手にできる序盤定跡を生み出したら別だけれど

今回はPC(パーソナルコンピューター)だったけれど
officecomputerだったりsupercomputerだったり…
すれば、さらに、読む時間が短縮されるし、全方位探索もより可能になる

プロ棋士は時間短縮のためもあって、まったく関係のない手などは
読みすらしないというのも大局観の一つ
私的には、大局観ってのは、数10~数100手指した先の局面を読んで
有利か不利の判断、であって
棋士VS PCの勝負の如何はそこにあると。
特に将棋ソフトの歴史をみていくと、
進んだ先の局面の有利不利の判断が正しいか否か
というのが大きい

どうして28角を打つのか
単に馬が作れるから、そこに打つっていうのは、昔のソフトならありそうだが
数手先に馬を取られることを読んでないから、打つのだろう?
もしくは、それを想定しても、その時の局面が有利だと判断するから打つのだろう?

それをバグだとかハメ手だとかっていうのは違うと思う
PCの読む速度ならば、数手先のそんなことは読めているはずだし

今回5ソフトと対決したわけだが、それぞれのソフトというのは
プログラムの違いがあるわけで、今回はパーソナルコンピューターなので
全方位探索をさせるようにはしていないのかな?
こういう局面のときに、どういう手を読むのかっていうプログラムだったり
どういう局面を有利と判断するのかっていうプログラムだったりと、
各開発者のプログラム力、あるいは将棋のセンス、棋力が問われるわけで

何度も言うが、そのプログラムが負けたのだから、バグでもハメ手でもない。

(仮に、神様の将棋で、先手もしくは後手が必ず勝つということが判明した場合
それは、俗にいうハメ手となるのだろうが、
それは将棋の最善であるから仕方がない、将棋が終わる瞬間でもあるだろうが…
しかし、人類やプログラムがその高みを目指したり、
最善はさせない人間が勝負したりするのが面白いのだろう)

いまは、プログラムがプロ棋士に100%勝てるのか?っていう時代
もしくはプログラムが相当強くなってきたけれどプロ棋士は勝てるのか?
であっていずれは必ず100%勝てるようにはなるだろう
それまでプログラムを研鑽していくっていうことである

各スポーツ界で、必ずホームラン打てるバッターロボットとかいたりしたら
まるで面白みがない

まだ棋士が何勝かできる、プログラムが何勝かできる時代だから
プログラムが将棋に挑んでいる、という構図ではあるだろう

なんかもう電王戦終わるかもだけどw
プログラムが100%勝てるような時代がくれば、プロ棋士VSプログラムなんていうのは
もうやることはないだろう。

ponanzaのプログラムを一部拝借する、
全棋譜を読ませる、今ある全定跡を読ませるなどして
局面の有利不利の判断を正確にする
終盤は、詰みからの逆算を全方位でさせる、などしていけば良いのかねぇ
あとPC同士で序盤から全方位探索でPC定跡を作っていくとか?。


私の話も矛盾や筋の通らないこともあるかもしれないけれど
言いたいことは十分伝わると思います(=_=)
それをなんとなく理解してほしい(笑)











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